楽天koboライティングライフ|個人で電子書籍を出す仕組み

「楽天kobo ライティングライフ」で検索すると、出版の手順を説明したページと、電子書籍の読み方を説明したページが混ざって出てきます。
楽天Kobo ライティングライフは楽天Koboの電子書籍出版サービスで、本を読むための楽天Kobo電子書籍ストアとは入口が別です。
配信された本はリフロー型かフィックス型のどちらかの形式で読者の手元に届き、どちらになるかで文字サイズを変えられるか、ハイライトを引けるか、ブラウザで読めるかが変わります。
本記事では、このサービスが指している範囲・2つの形式の違い・読者側の購入条件を解説します。
楽天kobo ライティングライフが指しているサービスの範囲
楽天Koboの公式FAQでは、出版する側に向けたサービスとして「楽天Kobo ライティングライフ」が案内されています(2026年11月時点)。
読者として本を買う窓口とは分かれていて、買って読む側が使うのは楽天Kobo電子書籍ストア、楽天Koboアプリ、楽天Kobo電子書籍リーダーの3つです。
楽天Kobo電子書籍ストアの販売者はRakuten Kobo, Inc.で、登録国外事業者の登録番号は00043です。
出版の条件は出版側の公式案内に載っている
ロイヤリティの率、受け付けている入稿ファイルの形式、審査にかかる期間、販売価格をいくらに設定できるのかといった条件は、楽天Kobo ライティングライフの公式案内に掲載されています。読者向けの公式FAQ(219件)には出版側の条件が書かれていないため、金額や手続きの期間はそちらで確認してください。
一方で、配信したあとに読者がどの環境でどう読むのかは、読者向けのFAQにすべて書かれています。
文字サイズを変えられるか、しおりやメモを残せるか、パソコンのブラウザで開けるかは形式で決まるので、出版を検討している段階でも先に把握しておく意味があります。
楽天Koboというサービス全体の成り立ちは楽天koboとは?Kindleとの違いと読める本の種類で解説しています。
楽天koboの電子書籍はリフロー型とフィックス型の2タイプ
楽天Koboで配信される電子書籍は、リフロー型とフィックス型の2タイプに分かれます。
リフロー型は小説やエッセイのような文字主体の本で、読む側の端末や設定に合わせて文字が流し込まれます。
フィックス型は漫画や雑誌のように1ページがまるごと画像になっているもので、ページの見た目が固定されます。
この違いは本のジャンル名ではなく、ページの作り方そのものを指しています。
| 項目 | リフロー型 | フィックス型 |
|---|---|---|
| 主な中身 | 小説・エッセイなど文字主体 | 漫画・雑誌など1ページが画像 |
| 文字サイズ | 変えられる | 変えられない(拡大して細かい文字を確認する) |
| ハイライト・コメント | 付けられる(書籍により付けられない場合がある) | 付けられない |
| ブラウザビューア | 対応していない | 対応している |
表のいちばん下の行が、見落とされやすいところです。
パソコンのブラウザから読む「ブラウザで読む」は、コミックや雑誌などのフィックス型にだけ対応していて、リフロー型の小説やビジネス書は開けません。
立ち読み版も同じく対象外です。
自分の原稿がどちらのタイプになるかの見分け方
判断の起点は、ページの中で要素の位置を固定する必要があるかどうかです。
本文が文章だけで、どこで改ページされても意味が通るならリフロー型で成立します。
図と説明文が隣り合っていないと読めない、写真の配置そのものが内容になっている、というページが続くならフィックス型です。
ジャンルで決め打ちすると外します。
楽天Koboの公式FAQでも、ビジネス書や参考書でありながら図や画像が多いためにフィックス型になっている書籍があると案内されています。
文字主体に見える本でも、図版の点数が多ければフィックス型で配信されることがあるわけです。
既刊の本がどちらかは商品ページで確かめる
個々の書籍がリフロー型かフィックス型かは、楽天Kobo電子書籍ストアの商品ページの表示で確認します。
同じジャンルの先行書がどちらで出ているかを何冊か見比べると、自分の原稿がどちらに寄るかの見当が付きます。
文字サイズを変えられることを前提に読まれたい原稿なら、図版を本文から切り離してリフロー型で成立する構成にしておくという判断もできます。
楽天koboの読書環境で、タイプごとに変わること
読む環境は4つあります。
楽天Koboアプリ(iPhone・iPad・Android)、楽天Koboデスクトップアプリ(Windows・Mac)、楽天Kobo電子書籍リーダー、そしてブラウザビューアです。
どの環境でも本は開けますが、できることは環境と形式の組み合わせで変わります。
ブラウザビューアはマイライブラリの「ブラウザで読む」から開き、対応ブラウザはパソコンがChrome・Firefox・Microsoft Edgeの最新版、iPhoneとiPadがSafari・Chromeの最新版、AndroidがChromeの最新版です。
ここで開けるのはフィックス型だけなので、小説をブラウザで読もうとした読者は開けません。
パソコンでの読み方の違いは楽天koboをパソコンで読む|デスクトップアプリとブラウザ版で解説しています。
ハイライト・書き込み・読み上げの対応範囲
ハイライトとコメントはリフロー型だけの機能で、ネットワークにつながっていれば端末をまたいで同期されます。
Koboスタイラス2が使える機種では本に直接書き込めますが、対応形式は.kepub・.epub・.pdfに限られ、DRM保護や編集制限のかかったPDFには書き込めません。
書き込んだメモはアプリや他の機種とは同期されない点も、端末を使い分ける読者には関係してきます。
端末とアプリの違いは楽天koboの端末|アプリだけで読む場合との違いで解説しています。
音声での読み上げは、一部の洋書に「音声再生機能つき書籍」があるだけです。
Koboカスタマーケアのサポート対象外で、楽天Koboデスクトップアプリと電子書籍リーダーでは再生できません。
一部のAndroid端末やiOS端末では再生できる場合があるものの、できないときのサポートは行われないと案内されています。
音声で聞きたい読者からの問い合わせを想定するなら、楽天koboの読み上げ|音声で聞けるかの確認で解説している対応範囲を押さえておくと説明しやすくなります。
楽天koboストアで買われるときの条件
読者が本を買う経路は2つあり、使える支払い方法とクーポンの可否がそれぞれ違います。
楽天Koboアプリ(iPhone・iPad・Android)からは直接購入できない仕様で、Android版が扱うのは無料作品だけです。
読者はブラウザのストアで購入してから、アプリを同期して読みます。
購入する場所で支払い方法が変わる
楽天Kobo電子書籍ストアでの購入には、クレジットカード(MasterCard、American Express、一部のデビットカード)、楽天ポイント、楽天ペイ残高(楽天キャッシュ)が使えます。
これに対してKobo電子書籍リーダーの端末内ストアから買う場合はクレジットカードだけで、クーポンと楽天ペイ残高は使えず、領収書も発行できません。
領収書は楽天市場の「購入履歴詳細」から注文日の翌日以降に発行する仕組みで、宛名は一度入力すると変更できません。
海外発行のクレジットカードは使えません。日本国外からの楽天Kobo電子書籍ストアでの購入、アプリへのログイン、ライブラリの同期は楽天Koboカスタマーケアのサポート対象外と案内されています(2026年11月時点)。
クーポンが使えない書籍がある
クーポンは電子書籍の購入に使えますが、対象外の書籍があります。
公式にはPottermore Publishingの書籍、集英社の「週刊少年ジャンプ」シリーズ、「SLAM DUNK」シリーズなどが挙げられていて、対象外の場合は商品ページに「この作品はクーポン適用対象外となります。ご了承ください。」と記載されます。
配布のタイミングと使えないときの確認手順は楽天koboのクーポン|配布のタイミングと使えないときの確認で解説しています。
ポイントは、楽天Kobo電子書籍ストアで買った電子書籍に対して注文日から20日後に付与率1%の確定ポイントが付きます。
付与の対象金額は2022年4月1日から税込価格ではなく税抜価格になりました。
SPUは2023年12月1日から月間獲得上限が500ポイント、達成条件が1回の注文でクーポン割引後の税込3,000円以上です。
なお、購入した電子書籍の返品・変更は受け付けておらず、購入直後でも読者が自分でキャンセルすることはできません。
楽天koboで買った電子書籍は、スマートフォンやタブレットのアプリ、パソコン、楽天Kobo電子ブックリーダーで読めます。同じ楽天IDで入れば、端末をまたいで同じ本棚を開けます。
セール・クーポンの内容と対象は入れ替わります。購入の前に公式ストアで現在の価格と条件を確認してください。
仕様を確認できる場所と、混同しやすい表記
読者側の仕様は楽天Koboの公式FAQ、個々の本の形式やクーポンの可否は楽天Kobo電子書籍ストアの商品ページ、出版の条件は楽天Kobo ライティングライフの公式案内と、確認先が3つに分かれています。
どこを見ても答えが出ないときは、どの環境の話なのかを先に特定してください。
アプリ・デスクトップアプリ・電子書籍リーダーでできることが違うため、環境を取り違えたまま調べると情報が食い違います。
端末の取り込み形式は入稿形式ではない
楽天Kobo電子書籍リーダーが取り込めるファイル形式として、EPUB、EPUB3、PDF、FlePub、MOBI、JPEG、GIF、PNG、BMP、TIFF、TXT、HTML、RTF、CBZ、CBRが公開されています。
これは読者が自分の手元のファイルを端末に入れるときの仕様で、出版するときの入稿形式とは別です。
サポートされるのはインポートだけでエクスポートは対象外、楽天Koboアプリとデスクトップアプリでは楽天Kobo電子書籍以外のデータのインポート自体がサポート対象外になっています。
取り込みの方法はケーブル接続のほか、Kobo Forma・Elipsa・Sage・Elipsa 2E・Libra ColourではDropboxとGoogleドライブの連携、Kobo Touch・Glo・Aura・Aura H2OではmicroSDカードが使えます。
端末をリセットすると取り込んだファイルはすべて消えます。
読者側で本が開かないという相談を受けたときの確認先は楽天koboが読めない・開かない|確認する3か所で解説しています。
よくある質問
楽天Kobo ライティングライフで出した本は、どのアプリで読まれますか
楽天Koboアプリ(iPhone・iPad・Android)、楽天Koboデスクトップアプリ(Windows・Mac)、楽天Kobo電子書籍リーダー、ブラウザビューアの4つです。
ただしブラウザビューアで開けるのはフィックス型だけで、リフロー型の小説やビジネス書、立ち読み版は読めません。
アプリの初期設定は楽天koboアプリの使い方|インストールと最初の設定で解説しています。
読者が本にハイライトやメモを残せますか
リフロー型であれば付けられます。
ただし書籍によって付けられない場合があり、フィックス型には付けられません。
ネットワーク環境があれば端末間で同期されます。
Koboスタイラス2で本に直接書き込んだメモについては、アプリや他の機種とは同期されません。
楽天Koboに定額で読み放題になるプランはありますか
楽天Koboの公式FAQ219件に読み放題プランの案内は掲載されておらず、提供の有無を公式の情報で確認できませんでした(2026年11月時点)。
楽天Koboは1冊ずつ購入する電子書籍ストアで、買った本は楽天IDに紐づいて管理されます。
なお、期間限定の無料配信や無料のコミック・小説の一覧は用意されていて、期間限定の無料配信版は配信期間の終了後にライブラリから自動的に削除されます。
楽天koboで買った電子書籍は、スマートフォンやタブレットのアプリ、パソコン、楽天Kobo電子ブックリーダーで読めます。同じ楽天IDで入れば、端末をまたいで同じ本棚を開けます。
セール・クーポンの内容と対象は入れ替わります。購入の前に公式ストアで現在の価格と条件を確認してください。
まとめ
楽天Kobo ライティングライフは出版する側のサービスで、ロイヤリティや入稿の条件はその公式案内に載っています。
読者向けの公式FAQから分かるのは、配信した本がリフロー型かフィックス型のどちらで届き、その形式によって文字サイズの変更・ハイライト・ブラウザでの閲覧がどこまでできるかという部分です。
原稿の図版が多いほどフィックス型になりやすく、その場合は文字サイズを変えられず、しおり代わりのメモも残せません。
読者が買う経路でも条件が変わり、アプリからは直接購入できず、電子書籍リーダーの端末内ストアではクーポンと領収書が使えません。ぜひ本記事のリフロー型とフィックス型の比較表と、環境ごとにできることの違いを参考に、自分の原稿をどちらの形式で届けるかを決めてください。



