Amazonビジネスの承認ルール設定|金額・部門別の分け方
経理から「この注文は誰が承認したのですか」と聞かれて、答えに詰まったことはないでしょうか。Amazonビジネスの承認ルールは、注文が確定する前に指定した承認者の承認を挟む設定で、数える単位は「レベル」です。
Amazonのヘルプページでは、階層は最大6レベルまで、1レベルにつき承認者は最大10名までと案内されています。
複数レベルを設定した場合は全レベルの承認が必要になるため、レベルを増やすほど注文が止まる箇所も増えます。
混同されやすいのがグループ設定で、こちらは請求書の発行先と締め日を分ける単位であって、承認の階層とは別の設定です。
本記事では、承認ルールで指定できる階層と人数の上限・金額上限の使い方・グループ設定との違いを解説します。
Amazonビジネスの承認ルールは、注文確定の前に承認を挟む設定です
承認ルールは、購入担当者が注文を確定しようとしたタイミングで、あらかじめ指定した承認者へ承認依頼を回す仕組みです。
承認が下りるまで注文は保留され、承認者が承認した時点で発注に進みます。
紙の稟議やメールでの「これ買っていいですか」というやり取りを、注文画面の中に移したものと考えると分かりやすいでしょう。
設定の単位は「レベル」です。
1レベルが1段階の承認に相当し、Amazonのヘルプページでは最大6レベルまで設定できるとされています。
1レベルにつき承認者は最大10名まで指定でき、複数レベルを設定した場合は全レベルの承認が必要です。
つまり2レベル設定なら、1段目の承認者が承認したあとに2段目の承認者の承認も必要になります。
前提として、承認ルールは複数の人が同じアカウントを共有して使う状況で意味を持つ機能です。
Amazonビジネスのアカウント登録は法人および個人事業主が対象で、登録そのものに年会費はかかりません。
個人アカウントとの違いや登録の条件はAmazonビジネスアカウントと個人アカウントの違いで解説しています。
承認設定で指定できる項目と、その上限
設定できる範囲は数値で決まっています。感覚で組むのではなく、上限を先に押さえてから自社の決裁に当てはめるほうが早いです。
| 設定項目 | 指定できる範囲 | 意味すること |
|---|---|---|
| 承認レベルの階層数 | 最大6レベル | 承認の段数。6段を超える決裁フローはそのままでは再現できません |
| 1レベルあたりの承認者数 | 最大10名 | 同じ段に複数人を並べられます |
| 複数レベルを設定した場合 | 全レベルの承認が必要 | どこか1レベルで止まると注文は進みません |
| 注文金額の上限 | 注文の上限を追加し、上限金額を指定できる | 金額を超える注文にだけ承認を要求する運用ができます |
金額上限は「全件承認」を避けるための設定
承認ルールをすべての注文に効かせると、数百円の文房具でも承認待ちが発生します。
注文の上限金額を指定しておけば、日常的な少額購買はそのまま通し、金額の大きい注文だけを承認に回す形にできます。
稟議の実務でよくある「一定金額以上は部長決裁」という線引きを、そのまま金額で表現する使い方です。
なお、上限金額をいくらに置くのが適切かはAmazon側が決めるものではありません。社内の決裁権限規程に合わせて指定してください。
必要なレベル数は、いま動いている決裁の段数から逆算します
レベル数は多いほど統制が効くように見えますが、増やした分だけ注文が止まる箇所が増えます。決め方は次の順序です。
現在の決裁が何段あるかを数える
紙やメールで回している承認が、担当者から部門長までの1段で済んでいるなら1レベルです。
部門長のあとに経理や役員の確認が入るなら2レベル、3レベルになります。
ここで数えるのは「実際に判断している人」だけにしてください。
回覧しているだけの人をレベルに含めると、承認待ちの回数だけが増えます。
金額で分かれるかを確認する
段数が金額によって変わる規程なら、注文の上限金額の設定と組み合わせます。
少額は承認なし、一定額以上は1レベル、高額はさらに上位も加えるという形です。
金額の線引きが社内で決まっていない場合は、承認ルールを組む前にそこを決めたほうが早く済みます。
承認者が不在のときに止まるかを想定する
1レベルに承認者を1人しか置かないと、その人が出張や休暇のあいだ注文は保留されたままになります。
1レベルにつき最大10名まで指定できるので、同じ段に複数名を並べておけば止まりにくくなります。
レベルを増やすことと、同じレベルに人を足すことは効果が逆方向なので、そこを混同しないでください。
ここまでで、階層の数・各レベルの人数・金額上限の3点が決まります。Amazonビジネスのアカウント登録は無料で、承認ルールは登録後の管理画面から設定していく流れです。
法人・個人事業主であれば、年会費無料で登録できます。登録には事業を確認できる書類の提出(会員情報確認)があり、審査には3営業日程度かかります。Businessプライムは別の有料オプションなので、まず無料のアカウントだけを作ることもできます。
料金・条件は2026年8月時点のものです。最新の内容は登録ページでご確認ください。
グループ設定は請求書の発行単位で、承認の階層とは別です
「グループ設定」という言葉から承認の組織図を想像すると、話がずれます。
Amazonビジネスのグループは、部署・部門・プロジェクト単位で作成し、グループごとに請求書の発行先住所と発行締め日を設定できる単位として案内されています。
承認の階層をグループごとに切り替える設定として説明されているものではありません。
グループを分ける実務上の意味は、経理処理の分割です。
本社と支店で請求書の送付先が違う場合や、プロジェクトごとに費用を締めたい場合に、発行先と締め日を別に持てます。
締め日は5日・10日・15日・20日・25日・末日から選択でき、支払期限は締め日から30日です。
締め日を変更した場合、変更後の締め日は次回の締め日の翌日以降から適用されます。
ただし、この仕組みが使えるのは請求書払いを利用している場合です。
請求書払いは招待制のプログラムで、Amazonによる審査があります。
アカウントを作っただけでは選べません。
承認されると、管理者宛てに利用限度額の有効化を案内するメールが届きます。
振込先や手数料の負担についてはAmazonビジネスの後払いと振込先の扱いで解説しています。
ユーザー数の枠が足りないと、承認ルールは動かせません
承認ルールは、承認者として別のユーザーがアカウントに参加していて初めて機能します。
承認者を招待できる人数は、Businessプライムのプランによって上限が決まっています。
以下は2026年8月時点の年会費で、いずれも税込です。
| プラン | 年会費 | ユーザー数 |
|---|---|---|
| Duo | 無料 | 1ユーザー想定(Amazonプライム会員が対象) |
| Essentials | 5,900円 | 最大5人 |
| Small | 13,500円 | 最大20人 |
| Medium | 37,800円 | 最大200人 |
| Unlimited | 270,000円 | 無制限 |
ここで注意したいのがDuoです。
Duoは1ユーザーを想定したプランで、従来は年額2,450円でしたが、2023年7月5日にAmazonプライムの既存会員を対象として追加料金なしに変更されました。
無料で使えるのは魅力ですが、1人で使う前提のため、承認を依頼する相手がそもそも存在しません。
承認ルールを運用したいなら、承認者の人数を含めたユーザー枠のあるプランを検討することになります。
プランごとの料金と無料アカウントとの関係はAmazonビジネスの年会費と料金体系で解説しています。
ひとりで事業を営んでいる個人事業主の場合、承認ルールを設定しても自分が申請して自分が承認する形になり、実益はほとんどありません。対象になる条件はAmazonビジネスは個人でも使えるのかで解説しています。
承認ルールと限度額は管理画面のどこで確認するか
承認ルールの階層数や承認者の上限といった仕様は、Amazonのヘルプページに記載があります。
実際の設定は、管理者権限を持つアカウントでサインインしてビジネスアカウントの管理画面に入り、承認の設定項目から行います。
購入担当者の権限では設定項目そのものが表示されないため、自分の画面に見当たらない場合は権限を確認してください。
金額に関わる設定でもう一箇所見る場所があります。
請求書払いの購入可能限度額です。
変更したい場合は請求書情報ページの「購入可能限度額の変更申請」から申請します。
申請は30日間に2回まで、審査結果は3営業日程度で管理者宛にメールが届きます。
審査中の申請があるあいだは再申請できません。
法人・個人事業主については定期的に再評価が行われます。
支払い方法の側も確認しておいてください。
Amazonビジネスの注文で使えるのは請求書払いと法人クレジットカードで、通常のAmazon.co.jpで使えるPayPayは利用できません。
詳しい対応状況はAmazonビジネスでPayPayが使えるかどうかで解説しています。
承認ルールを組んでも、決済手段が社内の運用と合っていなければ発注は止まります。
よくある質問
承認ルールは何段階まで設定できますか
Amazonのヘルプページでは、階層は最大6レベルまで設定できるとされています。
1レベルにつき承認者は最大10名まで指定でき、複数レベルを設定した場合は全レベルの承認が必要です。
7段以上の決裁フローをそのまま再現することはできないため、実際に判断している人だけをレベルに残す形で整理してください。
承認者が不在のあいだ、注文は止まったままになりますか
1レベルに承認者が1人だけだと、その人が承認するまで保留が続きます。
同じレベルには最大10名まで指定できるので、あらかじめ複数名を置いておくと止まりにくくなります。
なお、レベルを飛ばして承認を省略する運用や代理承認の細かい挙動については公式の記載を確認できていないため、実際の設定画面で確認してください。
グループを分ければ、部署ごとに承認の段数を変えられますか
グループは、部署・部門・プロジェクト単位で請求書の発行先住所と発行締め日を設定するための単位として案内されています。
承認の段数をグループごとに変える設定として説明されているものではありません。
また、グループの利用は請求書払いが前提で、請求書払い自体が招待制で審査を伴います。
法人・個人事業主であれば、年会費無料で登録できます。登録には事業を確認できる書類の提出(会員情報確認)があり、審査には3営業日程度かかります。Businessプライムは別の有料オプションなので、まず無料のアカウントだけを作ることもできます。
料金・条件は2026年8月時点のものです。最新の内容は登録ページでご確認ください。
まとめ
承認ルールで押さえるべき数値は、階層が最大6レベル、1レベルあたりの承認者が最大10名、そして複数レベルなら全レベルの承認が必要という3点です。
段数は現在動いている決裁の段数から逆算し、承認者が不在でも止まらないよう同じレベルに複数名を置いておきます。
この組み方なら、統制と発注スピードの両方が保てます。
グループ設定は請求書の発行先と締め日を分ける単位で、承認の階層とは別物です。
承認ルールを実際に運用するには承認者を招待できるユーザー枠も必要になるため、プランの人数上限も一緒に見ておいてください。
ぜひ本記事の設定項目の上限表とレベル数の逆算手順を参考に、自社の決裁に合う承認設定を組み立ててください。

