Wrikeのワークフロー設定が複雑化したときの整理法
Wrikeはタスク管理やプロジェクト進行の効率化に優れたツールですが、運用を続ける中で「ワークフロー設定が複雑になりすぎて管理しづらい」という課題に直面することがあります。
特に複数チーム・複数プロジェクトを同時に扱う場合、不要なステータスや使われなくなったワークフローが増え、運用負担や混乱を招きます。
本記事では、Wrikeのワークフロー設定が複雑化したときの原因と、整理・改善するための具体策を解説します。
AIレーダーチャートによるWrikeの評価
Wrikeのワークフローが複雑化する主な原因
ステータスの追加・変更が頻繁に行われる
プロジェクトやチームの要望に応じてステータスを増やしていくと、使われないステータスや似た意味のステータスが乱立し、選択時に混乱を招きます。
チームごとに異なるワークフローを作成している
部署や案件ごとに独自のワークフローを作ると、全体として統一感がなくなります。メンバーが複数プロジェクトに関わる場合、作業の切り替えに負担が生じます。
過去プロジェクト用のワークフローが残っている
既に終了したプロジェクトや使わなくなったフローを削除せず放置すると、管理画面が煩雑になり、誤って選択するリスクが高まります。
権限管理や命名規則の不統一
誰でも自由にワークフローを作れる環境だと、命名規則がバラバラになり、目的のフローを探すのに時間がかかります。
改善策1：現状のワークフローを棚卸しする
使用状況の確認
まずは全ワークフローとステータスを一覧化し、実際にどのプロジェクトやタスクで使われているかを確認します。使用頻度が低いものや半年以上利用がないフローは削除または統合の候補とします。
重複・類似ステータスの洗い出し
「承認中」と「レビュー待ち」など、意味が近いステータスが複数存在する場合は統一します。ステータス名はチーム全員が理解できるシンプルな表現にまとめましょう。
過去プロジェクト用の整理
過去に特化したフローはアーカイブ化または削除し、現行運用に必要なものだけを残すことで一覧性が向上します。
改善策2：ワークフローの構造をシンプル化する
基本の進行ステップに絞る
どのプロジェクトでも共通して使える進行ステップをベースに設定します。例えば以下のような4〜6ステップが目安です。
- 未着手
- 進行中
- レビュー中
- 承認済み
- 完了
- 保留
必要に応じてカスタムステータスを追加
特定プロジェクトでしか必要ない特殊なステータスは、汎用フローには入れず、別の専用ワークフローとして作成します。
カラーコードで視認性を高める
ステータスごとに色を設定し、進行状況を直感的に把握できるようにします。進行中は青系、完了は緑系、保留は灰色など、色の意味を統一することでチーム全体の理解が早まります。
改善策3：命名規則と運用ルールを設定する
命名規則の統一
ワークフロー名やステータス名は、チーム全員が見て意味がわかる形式に統一します。
例：[部署名]_[進行タイプ]（営業_案件管理、制作_デザイン進行）
変更権限の制限
ワークフローの作成・編集権限は管理者やリーダーに限定し、無秩序な増加を防ぎます。
更新手順の明確化
新しいステータスやワークフローを追加する際は、チーム全体に周知し、使い方マニュアルを更新します。
改善策4：Wrikeのフィルター機能と組み合わせる
状況別に絞り込み
ワークフローがシンプルになっても、全タスクを一度に表示すると見づらくなる場合があります。フィルター機能で「進行中だけ」「承認待ちだけ」など条件を絞り込み、必要な情報に集中します。
保存済みフィルターの活用
よく使うフィルター条件は保存しておくことで、日々の作業効率が向上します。
改善策5：定期的なレビューを行う
半年ごとの見直し
プロジェクトの性質や業務フローは時間とともに変化します。半年に一度はワークフローを見直し、不要なステータスや非効率な部分を改善しましょう。
チームからのフィードバック収集
現場のメンバーが感じている「使いにくさ」や「改善点」をヒアリングし、次回の更新に反映させます。
改善策6：ビューやダッシュボードで可視化を補強する
テーブルビューで一括確認
ステータスや担当者をテーブル形式で一覧し、進捗の偏りや滞留タスクを発見しやすくします。
ダッシュボードで重要タスクを集約
承認待ちや期限超過など、特に注意すべきタスクをダッシュボードに表示しておくことで、全員が優先順位を把握しやすくなります。
まとめ
Wrikeのワークフローは、適切に管理すればプロジェクトの見える化と効率化に大きく貢献します。しかし、運用の中で複雑化してしまうと、かえって混乱を招く原因になります。
現状の棚卸し、構造のシンプル化、命名規則と運用ルールの設定、フィルターやダッシュボードの活用、そして定期的なレビューを組み合わせることで、常に整理された状態を保つことができます。ワークフローがシンプルで一貫性があれば、チーム全体の作業効率と情報共有の質が向上し、プロジェクト成功率も高まります。
