Redmineでプロジェクトが増えすぎたときの統合方法

Redmineは複数のプロジェクトを並行管理できる強力なツールですが、長く運用しているとプロジェクトの数が増えすぎて、管理が煩雑になることがあります。
「どのプロジェクトが現行なのか分からない」「似たようなプロジェクトが乱立している」「過去のプロジェクトが残って検索結果を邪魔する」といった状況は、生産性の低下を招きます。
この記事では、Redmineで増えすぎたプロジェクトを整理・統合する方法を、手順と運用ルールの両面から解説します。
AIレーダーチャートによるRedmineの評価
Redmineでプロジェクトが増えすぎる主な原因
短期案件の乱立
短期間だけ運用するプロジェクトを都度作成し、完了後にアーカイブしないまま残すケースが多くあります。
重複や類似のプロジェクト作成
同じ目的や内容のプロジェクトが複数作られ、チケットやWikiが分散する原因となります。
運用ルールの不在
プロジェクト作成基準や命名ルールがなく、メンバーごとにバラバラのプロジェクトが立ち上がってしまうことがあります。
プロジェクト統合の基本方針
1. 現行プロジェクトの特定
まず、現在進行中のプロジェクトと、すでに完了しているプロジェクトを明確に区別します。
2. 類似・重複の洗い出し
目的や担当部署が重なるプロジェクトをリストアップし、統合候補とします。
3. 関係者への事前共有
統合作業は影響範囲が広いため、関係者に事前に通知し、スケジュールと進め方を共有します。
実践的な統合手順
ステップ1:統合対象の選定
管理画面からプロジェクト一覧をエクスポートし、類似性や活動状況を確認します。
統合対象は以下の条件を参考に選びます。
- 半年以上更新のないプロジェクト
- 同じ顧客や製品を扱っている
- 部署・チームが共通している
ステップ2:統合先プロジェクトの決定
統合先は現行の運用ルールに沿った、整理されたプロジェクトを選びます。
可能であれば命名ルールを統一し、今後も長期的に利用できるものを基準にします。
ステップ3:チケットの移行
統合元のチケットは、「プロジェクト移動」機能を使って統合先にまとめます。
移行時のポイント:
- カテゴリ・バージョンの対応付けを事前に決める
- カスタムフィールドの内容が移行先と一致するか確認
- 移行前にバックアップを取得
ステップ4:Wikiやファイルの統合
Wikiページはエクスポート後に統合先へインポートするか、手動で移植します。
添付ファイルや文書も、必要に応じて整理してから移行します。
ステップ5:統合元プロジェクトの処理
移行完了後は、統合元プロジェクトをアーカイブまたは削除します。
削除は履歴が失われるため、原則としてアーカイブがおすすめです。
統合時の注意点
カスタムフィールドの互換性
統合元と統合先でカスタムフィールドの定義が異なる場合、移行後にデータ欠落や表示不備が発生する可能性があります。
ユーザー権限の見直し
統合後はアクセス権限が変わるため、メンバーのロール設定を確認・調整します。
参照リンクの更新
他のチケットやWikiから参照されている場合、統合後にリンク切れが発生しないように注意が必要です。
プロジェクト乱立を防ぐ運用ルール
プロジェクト作成基準の明確化
新規作成は管理者承認制とし、必要性を事前に確認します。
命名ルールの統一
「部門名_案件名_年度」などの形式で統一することで、検索性と整理性が向上します。
定期的な棚卸し
四半期ごとにプロジェクトの稼働状況を確認し、不要なものはアーカイブします。
プラグイン・外部ツール活用による効率化
一括操作プラグイン
複数プロジェクトのチケットやWikiをまとめて移行できるプラグインを利用すると、統合作業が短縮できます。
レポート機能の強化
プロジェクト稼働状況を自動集計するプラグインを使えば、統合候補の特定が容易になります。
外部バックアップツール
移行前にデータを外部保存し、万一のトラブルに備えます。
統合後の効果を最大化するために
統合先の情報構造を整理
カテゴリ、バージョン、カスタムフィールドを再設計し、統合後の情報管理をスムーズにします。
チームへの周知徹底
統合理由と新しいプロジェクト構造を全員に説明し、混乱を防ぎます。
運用マニュアルの更新
統合後の運用ルールや検索方法をドキュメント化しておくと、再び乱立するのを防げます。
まとめ
Redmineでプロジェクトが増えすぎた場合は、現状分析から統合計画の策定、チケット・Wiki・ファイルの移行、統合元の処理という手順で整理できます。
統合時はカスタムフィールドや権限設定の整合性を確認し、データの欠落や混乱を防ぐことが重要です。
さらに、プロジェクト作成基準や命名ルール、定期的な棚卸しを取り入れることで、今後のプロジェクト乱立を防ぎ、管理コストを大幅に削減できます。