Redmineでガントチャートが見づらいときの改善策

Redmineはプロジェクト管理に欠かせない機能の一つとしてガントチャートを備えています。
しかし、プロジェクトが複雑化したりチケット数が増えたりすると、「タスクが詰まりすぎて見えない」「必要な情報が一度に把握できない」といった問題が発生します。
この記事では、Redmineのガントチャートが見づらいときに試すべき改善策を、標準機能と運用面の両方から詳しく解説します。
AIレーダーチャートによるRedmineの評価
Redmineでガントチャートが見づらくなる原因
タスク数の増加
大規模プロジェクトや長期案件では、数百件単位のチケットが並び、画面が情報過多になります。
表示期間が長すぎる
期間設定が広すぎると、1つ1つのタスクが小さくなり、詳細が判別しづらくなります。
不要な情報の表示
担当者名や優先度など、すべてのチケットに必要のない情報まで表示されている場合、視認性が低下します。
並び順やカテゴリ分けの不足
関連するタスクがバラバラに表示されると、進行状況の把握が困難になります。
標準機能でできる見やすさ改善
1. 表示期間の調整
ガントチャート右上の表示期間設定を変更し、必要な期間だけを表示します。
短期の進捗確認なら1か月〜3か月表示、長期計画なら6か月〜1年表示が適しています。
2. 絞り込み検索の活用
クエリ機能で担当者やプロジェクト、バージョンなどを絞り込みます。
例:
- 自分が担当するチケットだけを表示
- 特定のバージョンに属するタスクだけを表示
- 優先度「高」のみを表示
3. ソート順の最適化
チケットを開始日順やカテゴリ順に並べ替え、関連タスクを固めることで視認性を高めます。
4. カテゴリ・バージョンの利用
カテゴリやバージョンを活用してタスクをグルーピングします。
例:
- 開発工程別(設計、実装、テスト)
- バージョン別(1.0リリース、1.1アップデート)
5. 表示項目のカスタマイズ
不要なカラムは非表示にし、重要な情報だけを残します。
担当者やステータスなど、目的に応じて必要な項目を取捨選択します。
運用面での改善策
タスク分解の粒度を統一
タスクが細かすぎるとガントチャートが密集し、大枠の進捗が見えにくくなります。
一方で粒度が粗すぎると作業計画が曖昧になります。
チームで「1タスクは1〜5日程度」を目安にすると見やすさが向上します。
必要なタスクだけをガントチャート対象にする
進捗管理の対象外となる細かい作業やメモ的なチケットは、ガントチャートの対象外とすることで視認性を確保します。
バージョン管理の徹底
チケットを必ずバージョンに紐づけることで、関連タスクをまとめて表示できます。
特定バージョンのリリース計画も一目で把握しやすくなります。
色分けの工夫
担当者やステータス別に色を割り当てると、進捗状況や役割分担が直感的に把握できます。
プラグイン・拡張機能での改善策
高機能ガントチャートプラグイン
Redmineには、標準ガントチャートを拡張するプラグインが存在します。
例:
- ズーム機能の強化(週・月単位で拡大縮小)
- ドラッグ&ドロップでのスケジュール調整
- 担当者別ビューの切り替え
タイムラインビューの活用
一部プラグインや外部ツール連携で、タスクをタイムライン形式で表示できます。
スケジュール変更や依存関係の確認がスムーズになります。
外部可視化ツールとの連携
Redmine APIを利用して、ExcelやBIツール、外部のガントチャートツールにデータを取り込み、見やすい形に再構成する方法もあります。
長期的な改善のための運用ルール
ガントチャート表示の目的を明確にする
「リリース全体の進捗確認」「特定チームの作業管理」など、目的ごとに表示内容や期間設定を変えると効果的です。
定期的な表示設定の見直し
プロジェクトの進行に合わせて表示期間や絞り込み条件を更新します。
放置すると、不要なタスクが増えて再び見づらくなります。
フィードバックの仕組み
メンバーから「見づらい」「情報が足りない」といった声を定期的に収集し、表示設定や運用ルールを改善していきます。
まとめ
Redmineのガントチャートが見づらくなる原因は、タスク数の増加、表示期間の設定不備、情報の過多などにあります。
改善のためには、表示期間や絞り込み条件の調整、カテゴリやバージョンによる整理、不要な情報の削除といった標準機能の活用が有効です。
さらに、タスク粒度の統一や対象タスクの選別、色分けやプラグイン導入などを組み合わせることで、視認性は大幅に向上します。
運用ルールを明確にし、定期的な見直しを行うことで、常に見やすく役立つガントチャートを維持できます。