Redmineのチケット管理が煩雑になったときの整理術

Redmineはオープンソースの強力なプロジェクト管理ツールですが、長期間運用しているとチケットが増えすぎて、管理が追いつかなくなるケースがあります。
「どのチケットが優先か分からない」「古いチケットが放置されている」「同じようなチケットが重複している」などの状況は、チームの生産性を大きく下げます。
この記事では、Redmineのチケット管理が煩雑になったときに実践できる整理術を、プロジェクトマネジメントの観点から詳しく解説します。
AIレーダーチャートによるRedmineの評価
RedmineでなぜRedmineのチケットは煩雑になりやすいのか
チケットの量が急増しやすい
Redmineはチケットを簡単に作成できるため、プロジェクト規模が大きくなるほど登録件数が増えます。特に、要望・改善案・不具合報告が一括で管理される場合、半年も経つと膨大な数になります。
担当者や期日が未設定のまま放置される
チケット作成時に担当者や期日が設定されないまま残ると、誰がいつ対応するのか分からない状態になり、優先度の低い案件が溜まりがちです。
重複・類似チケットが発生する
同じ課題を別のメンバーが別チケットで登録してしまうケースがあります。これが進行状況の分散や混乱を招きます。
チケット整理の基本方針
優先度と期限の基準を統一する
「高」「中」「低」の優先度を明確に定義し、全メンバーに共有します。
例:
- 高:今週中に解決しないと業務に影響がある
- 中:来月までに対応すべき
- 低:将来的に改善したい
放置チケットの一掃ルールを設ける
半年以上更新のないチケットはアーカイブやクローズするルールを設定します。実運用では3〜6か月を基準にするケースが多いです。
カテゴリやトラッカーを活用する
チケットを分類するカテゴリやトラッカー(バグ・新機能・サポートなど)を活用し、検索性を高めます。
実践的なRedmineチケット整理術
1. 定期的な「チケット棚卸しミーティング」を開催
月1回や四半期ごとに、全チケットを一覧で確認する時間を設けます。
- 完了済みなのにクローズされていないチケット
- 担当者が不在のチケット
- 同じ課題を扱う重複チケット
を重点的にチェックします。
2. クエリ機能で「見える化」
Redmineのカスタムクエリを活用し、以下のようなリストを作成します。
- 自分が担当の未完了チケット
- 期限超過チケット
- 担当者未設定チケット
- 更新日が古いチケット
ダッシュボードやトップ画面に表示しておくと、日常的に管理しやすくなります。
3. カテゴリ・バージョンを適切に設定
カテゴリを「UI改善」「バグ修正」「顧客要望」など細分化し、作業分野ごとに管理します。
また、バージョン機能を使ってリリース単位でチケットをまとめると、進捗把握が容易になります。
4. 重複チケットは統合
類似内容のチケットがある場合は、1つにまとめて関連チケットとして紐付けます。統合時には元チケットの内容をコメントとして残し、履歴を失わないようにします。
5. 担当者不在チケットは即アサイン
担当者が設定されていないチケットは、棚卸しや日次の確認時にすぐアサインします。担当未設定は優先度低下の温床です。
チケット管理を効率化する運用ルール
チケット作成時の必須項目を設定
Redmineの管理画面で、担当者・期日・優先度を必須入力にする設定を行います。これにより、作成時点での漏れを防げます。
クローズ条件を明確化
「検証済みであれば即クローズ」「リリース完了後にクローズ」など、チケットを閉じる基準を決めておくと、残数の正確性が保たれます。
コメント運用ルール
進捗や対応状況をコメントで更新し、更新日が古くならないようにします。
「誰が・いつ・何をしたか」が分かる記録は、後からの振り返りや引き継ぎに有効です。
より高度な整理テクニック
プラグインの活用
Redmineには「チケット一括更新」「ガントチャート拡張」「タグ付け」など、管理を効率化するプラグインがあります。
特に一括更新は、大量の期限変更や担当者変更を行う際に便利です。
チケット自動更新ルール
Webhookやスクリプトを利用して、一定期間更新のないチケットを自動で特定し、担当者へ通知する運用も可能です。
チケットテンプレート
よくある課題や作業はテンプレート化して登録。記入漏れや情報不足を防ぎます。
チケット整理を継続するためのコツ
定期レビューの習慣化
整理は一度きりでは意味がありません。毎月・毎四半期の定期レビューを習慣化することで、常にチケットの鮮度を保てます。
チーム全員参加の文化づくり
「整理は管理者だけの仕事」ではなく、全員がチケットの質を保つ意識を持つことが重要です。
新しいメンバーにも必ず運用ルールを共有しましょう。
運用ルールの簡潔化
ルールが複雑すぎると守られません。誰でも理解できるシンプルな基準を設定することが継続の秘訣です。
まとめ
Redmineのチケットが煩雑になる最大の原因は、「情報が増え続けるのに整理の習慣がない」ことです。
優先度や期日の統一、放置チケットの一掃、カテゴリやクエリの活用、重複の統合、必須項目設定などを組み合わせることで、チケットは常に鮮度の高い状態を維持できます。
また、整理は一度で終わりではなく、定期的な棚卸しとルール見直しを継続することが重要です。
この整理術を取り入れれば、Redmineのチケット管理はシンプルで見通しの良い状態になり、チーム全体の生産性向上につながります。