Backlogのプロジェクトが増えすぎたときの統合方法

Backlogはプロジェクトごとに課題、Wiki、ファイル、バージョン管理などを分けて管理できる便利なツールですが、長期間利用しているとプロジェクト数が増えすぎて管理が煩雑になることがあります。案件ごと、クライアントごとに新規プロジェクトを作っているうちに、どこに何の情報があるのか分からなくなり、検索や進捗管理の効率が大幅に低下します。本記事では、Backlogで増えすぎたプロジェクトを整理・統合する手順と、再び同じ問題が起きないための運用ルールを詳しく解説します。
AIレーダーチャートによるBacklogの評価
プロジェクトが増えすぎることで起きる問題
情報の分散
関連する課題やWikiが別々のプロジェクトに存在し、全体像を把握しづらくなります。
検索効率の低下
横断検索機能はありますが、対象が多すぎるとノイズが増え、目的の情報が見つけにくくなります。
権限管理の複雑化
プロジェクトごとにメンバー権限を設定する必要があり、管理工数が増加します。
重複作成のリスク
既に存在する課題やWikiを知らずに、別プロジェクトで同じ内容を作成してしまうことがあります。
プロジェクト統合の基本方針
- 関連性の高いプロジェクトはまとめる
- 統合先は現行の業務に最も近いプロジェクトを選ぶ
- 古い情報はアーカイブ化して参照可能にする
- 統合後の運用ルールを明確化する
プロジェクト統合のステップ
ステップ1:現状把握
すべてのプロジェクト一覧を取得し、以下の情報を整理します。
- プロジェクト名
- 利用状況(最終更新日、課題数)
- 関連するチーム・クライアント
- アクティブかアーカイブ候補か
利用頻度が低いものや、終了済みの案件は統合候補に入ります。
ステップ2:統合先の選定
関連する複数のプロジェクトがある場合、統合先を選びます。判断基準は以下の通りです。
- メンバー数が多く、権限設定が整っている
- Wikiやファイルが充実しており、ベースとして使える
- 現在も活発に運用されている
ステップ3:データ移行準備
プロジェクト間の直接統合機能はないため、手動またはAPIを活用してデータを移行します。
移行対象
- 課題(必要に応じてCSVエクスポート→インポート)
- Wiki(Markdown形式でエクスポート→新プロジェクトへコピー)
- 添付ファイル(ダウンロード→再アップロード)
- バージョン管理リポジトリ(クローン→新プロジェクトにプッシュ)
注意点
課題IDは引き継がれないため、移行時に旧プロジェクトのIDをメモ欄に記載しておくと参照が容易になります。
ステップ4:権限とメンバー設定の統合
統合後のプロジェクトで必要なメンバー権限を設定します。古いプロジェクトでのみ必要だったメンバーは、統合先で削除またはゲスト権限にします。
ステップ5:旧プロジェクトのアーカイブ
データ移行後は旧プロジェクトを削除せず、アーカイブ化します。こうすることで、過去の情報を参照可能な状態を保ちながら、新しい運用に集中できます。
統合後の運用ルール策定
プロジェクト作成基準を明確化
「新規プロジェクトは以下の条件を満たす場合のみ作成する」という基準を作ります。
- 新規クライアント案件で、期間が3か月以上
- 既存プロジェクトと明確に分ける必要がある場合
プロジェクト内でのカテゴリー活用
案件ごとに別プロジェクトを作る代わりに、カテゴリーやマイルストーンで管理します。こうすれば、プロジェクト数を増やさずに多様な案件を整理できます。
定期的なプロジェクト棚卸し
四半期ごとにプロジェクト一覧を見直し、不要なものをアーカイブ化します。運用ルールとして定期レビューを設定すると、自然とプロジェクト数が適正化されます。
プロジェクト統合のメリット
- 情報の一元化:関連情報を1つのプロジェクトで管理でき、検索性が向上
- 管理コスト削減:権限設定やメンバー管理が簡略化
- 重複作成防止:同じ課題やWikiの二重登録を防げる
- ナレッジ活用促進:過去の情報が集約され、再利用が容易に
再び増えすぎないための予防策
- プロジェクト作成時の承認フローを導入
- 案件終了後は即アーカイブ化
- 複数案件はカテゴリー・マイルストーンで管理
- 作成基準と棚卸しルールをWikiで共有
まとめ
Backlogのプロジェクトが増えすぎると、情報の分散や検索効率の低下、管理コストの増大を招きます。これを解決するには、現状把握→統合先選定→データ移行→権限統合→旧プロジェクトアーカイブの流れで整理することが効果的です。さらに、統合後の運用ルールを明確化し、定期的にプロジェクト数を見直すことで、常に効率的で整理された環境を保つことができます。