ガントチャートなしでもタスク管理は回る?カンバン方式の可能性

プロジェクト管理といえば、真っ先に思い浮かぶのがガントチャート。
タスクを横並びに、日付軸で可視化するこの方法は、今も多くの現場で使われています。
しかし、こう思ったことはありませんか?
- いちいち日付を直すのが面倒…
- メンバーが変更を反映してくれない…
- 計画通りに進むなんて、ほとんどない…
実は、ガントチャートを使わなくても、タスク管理はしっかり回ります。その代替手段として注目されているのが、カンバン方式です。
本記事では、「なぜガントチャートなしでもうまくいくのか?」
その理由とカンバン方式の可能性を紹介します。
なぜガントチャートを使わない選択肢が生まれているのか?
計画がズレるたびに日付調整が発生する
ガントチャートの最大のネックは、予定と現実がズレたときの修正作業です。「1日遅れた」だけでも、後続タスクの期日をすべて見直す必要があるケースも。
この手間が積み重なると、いつの間にか「メンテナンスのためのメンテナンス」に。
小規模チームには“重すぎる”管理形式
ガントチャートは、規模の大きいチームやウォーターフォール型のプロジェクトでは有効です。しかし、日々変化するスタートアップや少人数の現場では、過剰管理になりがちです。
むしろ柔軟に対応できる仕組みの方が、回る実感を得られます。
プレイングマネージャーには時間的コストが大きい
自身も手を動かすマネージャーにとって、タスクの進捗状況を逐一更新すること自体が負担になります。その結果、管理が続かなくなり、形骸化することも。

タスク管理でカンバン方式が選ばれる理由
ではなぜ、カンバン方式が代替として注目されているのでしょうか。
進捗が“状態”で見える=日付不要
カンバン方式では、タスクカードを「Todo」「Doing」「Done」などの状態別リストに並べていきます。タスクの状態を“位置”で表現するため、日付の入力や更新が不要です。
タスクが左から右に動けば、それが進捗。わざわざ予定日を設定しなくても、ボードを見れば状況が把握できます。
直感的に扱える=説明・教育が不要
「タスクを並べて、動かすだけ」。
この分かりやすさが、カンバン方式の大きな強みです。操作説明も複雑な導入研修も不要で、“見た瞬間に理解できる”設計になっています。
特に、初めてマネジメントを担当するプレイングマネージャーにとっては大きなメリットです。
優先度や作業量も工夫次第で可視化できる
一見、カンバン方式ではスケジュール感や負荷が見えにくいと思われがちですが、カードに「想定所要時間」や「優先度ラベル」をつければ、負荷と順序を同時に見える化できます。
この応用ができる点で、カンバン方式はガントチャートに引けをとりません。
ガントチャートなしで回すカンバン設計例
ここからは、実際にガントチャートなしでタスク管理を回しているカンバン設計を紹介します。
Todo/Doing/Done による進捗管理
最もシンプルな形式。「やること」「やっている」「終わった」だけで管理します。
複雑なスケジュールを立てなくても、チーム全員が今の状況を把握できます。
優先順×想定時間で動きと負荷を見せる(pitboard式)
pitboardでは、メンバーごとにタスクをリストに並べ、上にあるほど優先度が高い構成です。
さらに、各カードに想定時間(例:2h、30mなど)を記載することで、「いつやるか」ではなく「どれを先に・どれくらいで」やるかに焦点を当てています。
これにより、日付管理を捨てつつも、進行と負荷を同時に可視化できます。
計画変更もドラッグ&ドロップでOK
ガントチャートでは期日の再設定が面倒ですが、カンバン方式なら順番を入れ替えるだけで即変更完了。
変化が多いチームでも、負担を感じずに対応できます。
「タスク管理=ガントチャート」という思い込みから自由になる
ガントチャートのように美しく整ったスケジュールは、見ていて安心感があります。
しかし、それが実態を反映していなければ、意味がありません。
進捗が日々ずれていく中で、ガントチャートをメンテナンスするために時間を割くのは本末転倒です。
「チームが自然に回るか」が基準でいい
カンバン方式のような「軽い仕組み」でも、メンバーがカードを動かし、状態が見えるのであれば十分に機能します。
大切なのは、管理ツールを使うこと自体ではなく、チームの流れが自然に回ることです。
まとめ|ガントチャートがなくても、むしろうまくいく場面は多い
タスク管理にガントチャートは必須ではありません。
特に以下のようなチームでは、むしろ使わない方がうまく回ります。
- 変化が多いプロジェクト
- 少人数のチーム
- プレイングマネージャー主体の現場
その代わりに有効なのが、状態・順序・負荷を視覚的に管理できるカンバン方式です。
pitboardのように、優先順と想定時間でタスクを整理する構成を使えば、日付を使わなくても“チームの動き”が見えてきます。
「そもそも、ガントチャートって本当に必要?」
と一度問い直してみることが、チームにとって最適なタスク管理の第一歩になるかもしれません。