「Todo」「Doing」「Done」だけじゃない!カンバンボードのリスト設計アイデア集

カンバン方式のタスク管理といえば、「Todo/Doing/Done」の3列構成が基本です。
この形はシンプルでわかりやすく、多くのチームにとって最初の一歩として最適です。
しかし、運用が長くなるほど
- 「Doingが増えすぎて管理しにくい」
- 「完了直前のレビューが見えない」
- 「そもそも着手すべきタスクが多すぎて優先できない」
といった課題に直面することも。
本記事では、そんなときに役立つ「カンバンボードのリスト設計アイデア」を10パターン紹介します。
なぜ「Todo/Doing/Done」だけでは足りなくなるのか?
運用が進むほど“実務のズレ”が出てくる
最初は3列で十分でも、やがて現場の動きとカンバンの構造がズレてくることがあります。
たとえば、
- レビュー待ちが混ざっていて進行中が見えづらい
- 優先度の高いタスクが埋もれてしまう
- そもそもやるかどうか未定なタスクも混在している
こうした状況が起こると、「カンバンがあるのに機能しない」という状態になってしまいます。
カンバンのリスト設計はチームごとの最適解がある
リスト構成は、テンプレではなく「運用に合わせて変える」ことが基本です。以下では、実践的かつ応用の効くリスト設計パターンを10個紹介していきます。
カンバンボードのリスト設計アイデア10選
① Backlog(保留タスク)を作る
やるかどうか未定、あるいは「いつかやるかも」なタスクをTodoに置くとごちゃつきます。
Backlogを設けることで、今すぐ取り組むべきでないタスクを退避できます。
② Priority(優先タスク)で絞る
Todoが多すぎて混乱しているなら、優先タスクだけを一時的に抽出するリストを設けましょう。
会議前にここにピックアップするだけでも、話し合いの質が一段上がります。
③ Blocked(停滞中)を明示する
「他部署の返事待ち」「依頼が戻ってこない」など、一時的に止まっているタスクを区別するリストです。
Doingに長く留まっているカードをここに移すだけで、停滞要因の可視化が進みます。
④ Review(レビュー待ち)を設ける
特にクリエイティブや開発系の現場で有効です。
「自分は終わったが、チェック待ち」の状態を明確にすることで、責任の所在とボトルネックがはっきりします。
⑤ Today(今日やる)で集中を促す
優先タスクの中でも、今日やるものを分離するリストです。
毎朝の朝会や始業時に更新することで、1日の行動が明確になります。
⑥ 担当者別リストでアサインを可視化
Todo/Doingの区分ではなく、「誰が何を持っているか」で整理する運用も有効です。
3〜5人程度の小さなチームでは、アサインベースのほうが見やすいこともあります。
⑦ プロセス分解型(設計→制作→公開など)
業務プロセスが明確なチームでは、各工程ごとにリストを分ける方法もおすすめです。
「構成→デザイン→コーディング→レビュー→公開」など。
一方向に流れる進行管理が可能になります。
⑧ ステータスラベル不要で「進行順」だけのシンプル運用
リストは「メンバー別」に固定し、カードを上から順にやっていく方式です。
pitboardでも採用されている運用で、ラベルや複雑なリストを使わず、並び順で優先度を伝えるシンプルさが魅力です。
⑨ チーム別(営業・開発など)のカンバン分割
1つのボードに全チームのタスクが混在すると、整理しづらくなります。
チーム単位でボードを分け、それぞれに最適なリスト構成を持たせるのも効果的です。
【PR】 pitboard流:メンバー×優先順×想定時間
pitboardでは、各メンバーをリストとして表示し、カードの順番で優先度を伝えます。

さらにカード右下に“想定時間”を記載することで、優先度と負荷感の両方を見える化しています。
ガントチャートを使わずに、「誰が・何を・どの順で・どれくらい」を把握できる仕組みです。
リスト構成に迷ったときの判断基準
チームの会話がどこで詰まっているか?
会議で何度も出る話題、やり取りが停滞するポイントを振り返ってみましょう。そこが“リストとして分けた方がいい境界線”になっている可能性が高いです。
「カードが動きやすいか?」で判断する
どんな構成でも、カードが滞ってしまっては意味がありません。
「動かしやすい」「迷わず更新できる」ことが、リスト設計の基本です。
まとめ|チームの実態に合わせて、カンバンを育てよう
Todo/Doing/Doneはカンバン方式の出発点にすぎません。
運用していくなかで、「このステータスが足りない」「ここで詰まる」という感覚があれば、それをリストにしていくことで、チームのための最適なカンバンが育っていきます。
正解はありません。
大事なのは、「動く」「分かる」「続く」こと。
もし既存の構成がしっくりこないと感じたら、今回紹介したリスト構成を試してみてください。
そして、自分たちのスタイルに合わせて、カンバンボードをカスタマイズしていきましょう。
それこそが、タスク管理が“文化として根づく”第一歩です。